下振れの悲痛経験、5 つのステージ

「これが本当に起きてるなんて信じられないよ。ここまで何ハンドも連続して負けるなんてあり得ない。なんで、なんで俺なんだ。EV から一体どれだけ下に触れてるんだよ！これは現実じゃない！」

強烈な不運に直面した時、あなたにはまずそれが信じられないことでしょう。いったいどうしたらこんなことが起き得るんでしょう？あなたに下振れが起きるだなんてありえません、あなたがそんな目に合うはずないのです！

「何でこのファ○○な馬鹿野郎どもは俺に勝ち続けるんだ？このテーブルでダントツに上手いのは俺なのに、この低脳どもは俺とぶつかる度に勝ちやがる。お前ら皆ファ○○ユーだ！ファ○○ユー下手糞野郎！ディーラーもファ○○だ！」

この段階ではあなたは、自分は強烈な下振れに見舞われているのだという現実を否定することはストップします。このステージでは、辛い思いをするのはあなただけに留まらず、あなたの相手プレイヤーや、あなたの周りの人々までもが巻き込まれることとなります。

あなたは相手のポーカープレイヤー達に怒りを覚えます。それでもまあ、あなたがその感情を心の内に留めおくことが出来ればいいほうです。でもあなたが「何でお前このレイズにコール出来たんだよ。お前低脳か何かか？」などと口にしてしまうと酷い結果につながってしまいます。このステージでは、チャットを利用禁止にされたり、（ライブプレイの場合）フロアマネージャーからペナルティを受けたり、（もし再びアンラッキーな目にあって、怒りの矛先が向かったのが総合格闘技チャンピオンだったりしたら）歯の 1、2 本を失ったりということがあり得ます。

怒りはあらわにせず、感情は自分の心の内深くに留めておきましょう。そして何よりも大切なこと－友達や家族に怒りをぶちまけないこと。

「何で俺、ポーカーなんてやってんだ？もっと単純な仕事だってあるのに。普通に就職してたら、今頃はどこかのオフィスでお仕事中だったろうに。まあ給料安いかもしれないけど、それだって－このク○ゲーよりかはましだろ？」

ええ、あなたがポーカープレイヤーの道を選んだのにはいろんな理由がありますね－自由、いい稼ぎ、旅の生活等々。自分のハンドがとんでもない悪い流れに当たったからって、本当に辞めようと思っているのですか？

「俺は間違いなく世界で一番運の悪いポーカープレイヤーだ。もう一生トーナメントで優勝できないし、バンクロールはそのうち崩壊する。今の俺みたいな下振れ、これまで誰も経験していないに違いない。」

この段階に入ると、あなたには未来が明るいものだとは信じられなくなります。抑うつ状態は、仕事とグラインドへのモチベーション低下を伴います。この段階では、あなたはバッドビート話を他人にしたくて仕方なくなります。そして仲間のポーカープレイヤーはたいていそんなものに興味を示しません。なぜなら同じような連敗は彼らも経験しているからです。

時には何よりも必要なのは誰かにハグしてもらうことだという場合もあります。こういう瞬間に最も肝要なのはサポートを受けることです－ポーカーと無関係の友人や家族からの。彼らはあなたがこの辛い時を乗り込めるための助けになり得るのです。

「分かった。俺は下振れの真っ最中で、これは普通のことだ。ポーカープレイヤーなら、遅かれ早かれ経験することだ。俺には今がその時なのだ。」

ついにあなたはこの段階に到達しました！あなたはポーカー（や人生一般）は浮き沈みと共にあるものだという事実を受け入れたのです。ここへとたどり着いたあなた、良くやりましたね！

誰にも不運の連続は訪れるものです。しかし、最も大事な事実は、最後に君臨するのは長期的結果であって、短期は短期でしかないということです。時には「短期」が思ったよりも長く続くことだったありますが、それでもその「短期」に終わりは来るのです！

あなたがやるべきことはただプレイを積み重ねるだけ（もちろん自分のプレイを検討して学習することをお忘れなく）です。いい決断を下すことこそが、ポーカーテーブルでは唯一重要なことなのです。